なぜ、顔に発疹ができたのか。「顔が赤くなる」その10の理由


鏡を見て、顔がいつもより赤いなと気づくことがあるかと思いませんか。その原因は日焼けや、にきび、顔のほてりなどが多いのですが、なかには皮膚炎などの症状ということもあります。湿疹やアレルギーなのか皮膚炎なのか判断が難しいものが多いことや、皮膚疾患はそれぞれ異なる治療法が存在することもあり、お肌に異常を感じたら、まず皮膚科への相談をすることを強く薦めます。

すぐに皮膚科医に相談をするのがベストと言えますが、皮膚のトラブルのサインを見逃さないためにも、顔に赤みを帯びる症状と病気や治療法について基礎知識をつけておくことは今後の役に立ちそうです。

これを読めば、顔が赤みを帯びる原因にはどの様なものがあるのか。その症状と病名などを解説していますので、症状が出始めて医師に相談するまでにお肌にどの様な異変が起きたかを病院で相談する際の一助になれば幸いです。お肌の異常を来す兆候とはどの様なものがあるのか、見ていきましょう。

顔が赤くなる10の理由

1.脂漏性皮膚炎

衛生状態が悪いわけではなく、脂漏性皮膚炎の症状です。引用:AAD

脂漏性皮膚炎とは、顔の皮膚に赤い発疹を引き起こす状態のことをいいます。この発疹は皮膚が油っぽく見える場合や皮膚が乾燥してしまってうろこ状に見えることもあります。脂漏性皮膚炎の疑いがある場合は、皮膚科での診断をおススメします。似たような症状で乾燥、湿疹、またはアレルギー反応の様な赤みが出る場合がありますので、よく分からない場合でも皮膚科医に相談することが重要となります。

皮膚科医での脂漏性皮膚炎の診察は、これまでの病歴をお聞きしたり、患部となっている皮膚を診て診断をしていきます。なかには医療検査を行う場合もあり、年齢や発疹場所によって治療が異なり、脂漏性皮膚炎の緩和治療を行うのが一般的です。症状を治すより、症状の緩和と症状悪化を防ぎ、腫れとかゆみを軽減する治療となるのが特徴です。

一般的な治療はフケ防止用シャンプーと短期間使用の塗薬やバリアリペアクリームなど処方されます。薬とスキンケアを併用し緩和治療を行うことが多いです。フケ防止用のシャンプーは頭皮だけではなく、皮膚にも使うとかゆみを抑える効果がありますので、お肌にかゆみがある方は日常のスキンケアとしてもおススメです。

2.酒さ(しゅさ)

酒さ
酒さが長引くと、小さな血管が出てくる場合があります。顔の赤みが強くなると血管は見えなくなります。 引用:AAD

酒さとは、酒皶(しゅさ)と読みます。酒やけとも呼ばれ、顔に生じる皮膚疾患の一つとなります。紫外線やストレス、気温の寒暖や風、運動、化粧品などが原因となることが多い疾患です。酒さの症状は顔が紅潮したり赤面する傾向がみられ、症状が続くと顔の赤みが長引くことで異変に気付く方が多いです。

酒さの初期の兆候は、ストレスを感じているときやアルコールを飲んだ時、温かい室内にいるとき、辛い物を食べたりするとすぐに赤面する兆候があります。赤みは顔の中心にある鼻や頬、額、あごに集中しやすく、赤みが進行すると症状が頻繁に起こりやすいことや長引く傾向などが挙げられます。

また酒さの兆候に赤みが続くことも挙げられます。顔の中心に赤みが、時間の経過とともに耳や首、鎖骨あたりや背中にまで広がることがあります。酒さを放置すると、ニキビのような吹き出物が出る場合があります。顔の中心部にでることが多く、ニキビと勘違いされる方も多いので、異常を感じたら皮膚科での受診をおすすめします。

なお酒さの状態の肌はとても敏感な状態となっていますので、洗顔やスキンケアで刺激をあたえると症状を悪化させることがあります。紫外線も肌に刺激を与えますので、屋外で過ごすとかゆみを伴う発疹などが発祥することもあります。このように酒さの症状の特徴は様々ですので、皮膚科で診察を行うことにより、症状に合わせた酒さの緩和治療の相談が大変重要となってきます。

3.接触皮膚炎

薬に起因するニキビのような発疹 引用:AAD

皮膚に皮膚を刺激する性質をもっているものに接触することで、アレルギー反応を引き起こしたりすると、接触皮膚炎を発症する場合があります。よく知られているのが、石鹸や髪の毛のカラーリングなどで皮膚や肌を刺激する、刺激性接触皮膚炎があります。また、漆や香料、ラテックスなどには顔に触れるとアレルギー反応の原因をもつものがあり、アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性があります。

この症状が出た場合の赤みを取り除く方法として、皮膚が反応し症状を引き起こした原因となった刺激物を皮膚にさらすのを中断すると、自然に治癒していく傾向があります。例えば、美容院などでカラーリングをする際に頭皮に刺激を感じるのは刺激性皮膚炎を起こしている可能性が高いのですが、洗い流してしばらくすると徐々に痛みや染みる感覚が和らぐのもそのためです。

石鹸などのスキンケア商品などの他に貴金属に含まれるニッケルなど日常的に身に着けるものが原因で症状を引き起こす可能性もあり、接触性皮膚炎の原因を突き止めることが難しい場合もあります。顔の発疹の場合、新しくスキンケア用品を変えたりメイク用品やエクステをした、目をこすってから、マニキュアした、香料を使ったなどが挙げられますので心当たりがないか考えてみましょう。

それでも症状が治まらない場合は、アレルギーの可能性も考えられますので、症状の悪化で皮膚が剥けた、水疱ができた、激しいかゆみが出ている。症状が出たり出なかったりする。数週間症状が治まらないなどある場合は、皮膚科へ発疹の原因を診察してもらい改善策を相談しましょう。

4.薬物に対する反応

ステロイド系の塗り薬
ステロイド系の塗り薬

ヒドロコルチゾンクリームなどのステロイド系の薬剤は日中に屋外で紫外線を浴びることで日焼けのやけどの様な症状を発症する可能性があります。使用している薬剤の注意事項を確認して日光を浴びない工夫をすることで赤みを解消することができます。

また、ヒドロコルチゾンクリームなど薬剤を顔に長期間使用し続けて皮膚に反応が出る場合は、そのまま継続使用すると症状が悪化する可能性がありますので、処方された皮膚科医に相談し、医師に確認をして中止してもよいか相談をするといいでしょう。

薬剤を中止することで、自然に治癒していく場合がほとんどですが、中にはテトラサイクリンやエリスロマイシンなどの抗生物質を服用する必要もあります。また、日ごろの洗顔も肌に優しい無香料の洗顔料に切り替えて優しく洗うことで清潔に保つほかに、他のスキンケア商品も無香料のものを選ぶことはデリケートなお肌にとって重要です。

この発疹の治癒は時間をかけて解消される傾向にありますので、数週間から数か月かかります。皮膚科に相談し、症状にあった治療法には抗生物質を服用するほかにヒドロコルチゾンクリームよりも刺激性の少ないコルチコステロイドクリームを使用する場合もありますので、医師の指示に従い治療を進めていくことをおススメします。

5.アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎(AD)は突然発疹を引き起こす可能性があります。乳幼児の場合、頬にかゆみを伴う発疹を発症することが多く、発疹が発症する場所に関係なく、発疹の出る皮膚は非常に乾燥した肌となっており、うろこ状の症状がみられかゆみを感じる傾向にあります。

アトピー性皮膚炎の治癒はできませんが、症状を抑える緩和治療が一般的です。皮膚科では血縁者にアトピー性皮膚炎の方がいないか、喘息を持っていないか、花粉症の症状を持っていないかなどを調べます。皮膚のアレルゲンをチェックするためにパッチテストを行い、皮膚が反応を起こしやすいアレルゲンの特定を行うこともあります。

アトピー性皮膚炎の緩和治療には、肌を痛みやかゆみをやわらげ落ちつかせることで、ストレスの軽減を行います。またかゆみによる引っ掻きなどによる感染を予防していきます。肥厚した皮膚はアトピー性皮膚炎が炎症を起こしていなくても常にかゆみをもつため、皮膚の肥厚予防もおこなれます。

治療の多くの場合、薬やスキンケア、ライフスタイルの改善を中心に行うことで、症状が再発することを指導していきます。このことでかゆみの緩和や炎症の軽減、症状の感染を抑え、うろこ状になった乾燥肌を緩めていきます。幼児で発症し治療を続けた場合、早期に改善される研究結果が出ています。皮膚に異常を感じたらまずは皮膚科へ相談することがなによりも大事と言えるでしょう。

6.乾癬(かんせん)

乾癬の症状の80%近くを占めるのがプラーク乾癬。かさぶたのようなものがプラーク。引用:AAD

乾癬とは、数週間ではなく数日で体に新しい皮膚細胞を作ることによりこの細胞が皮膚から少し盛り上がった赤い発疹の他に、うろこ状にフケの様な垢が堆積し、ボロボロと落ちていく症状です。

乾癬は治すことが出来ませんが、乾癬には皮膚のかゆみなどの症状の他に、目覚めたときの痛みや腫れ、またはこわばりなどの関節の問題が出ます。このような症状がみられる場合は、皮膚科で受診することをおススメします。

皮膚科での診察では、乾癬の症状を持つ血縁者がいないか、日常生活の変化で病気やストレスの増加がないかなどを確認し、取り除いた皮膚を顕微鏡で確認することで乾癬の症状があるかを医師は確認をします。乾癬にはいくつか種類があることや症状が出る場所、症状の重さや他の病気などを考え治療をしていきます。乾癬の症状緩和にスキンケアの改善や塗薬の処方の他に光線療法などが行われます。

7.クモ静脈

充填剤と注射は認定された皮膚科医などの免許を持つ医師に相談しましょう。

太陽の紫外線から肌を保護することは大事と言われますが、有害な紫外線を長年にわたり浴びてしまうと、肌を損傷する可能性があります。日焼けした肌の人で数年後、顔にクモ状静脈が見られる人がいます。日常生活での日焼け止め対策が大事ともいえるでしょう。

クモ状静脈の症状は、認定された皮膚科などの免許を持つクリニックでレーザー治療で取り除くことができる可能性がありますが、レーザー治療は医療保険外治療となりますので、医師と相談をしてみてください。


8.帯状発疹

帯状疱疹
足に出来た帯状疱疹

帯状発疹は、皮膚が水膨れを伴う発疹を引き起こし痛みを伴う症状が特徴です。顔を含む皮膚のどこにでも発症する可能性があります。帯状発疹は自然に治る傾向がありますが、顔に痛みを伴う発疹が現れた際には、治療が必要となりますので皮膚科での受診が必要です。そのままにしてしまうと帯状疱疹を発症し最悪の場合視力を失う可能性もあります。

帯状発疹と疑いがある場合は、症状が発症した3日以内に皮膚科へ受診することで長期にわたる神経痛などの合併症を予防できます。3日過ぎた場合でもそのままにせず医師に相談をしましょう。診察では帯状疱疹の確認をするため、水疱から検体をとり検査を行い、帯状疱疹の原因となるウィルスの存在を確認します。

治療は帯状疱疹を早期治めるために発疹の重症度を下げる抗ウィルス薬のうちアシクロビル、ファムシクロビルまたはパラシクロビルのうち1つを処方しますが、痛みがひどい場合には、コルチコステロイドなどの炎症を軽減する治療を行います。水疱は一週間から10日で改善が見られますが、1度帯状疱疹を経験している方は、過度なストレスなどにより、再発することもありますので、注意が必要です。

9.ルーブス

円盤状ルーブスは隆起した熱いうろこ状の様に見えます。顔や、頭皮、耳に発生することが多く治療は重要となります。引用:AAD

ルーブスとは、自己免疫疾患のことです。体にある免疫を異物と誤認してしまうことにより、免疫システムを攻撃してしまうものです。ルーブスをもっていると様々な器官を攻撃してしまうことから、皮膚の赤みや腫れといった症状を引き起こすことがあります。顔に腸のような形の発疹や顔の他の種類の赤みや腫れが見られることもあります。

もう少し詳しく皮膚への症状を書きますと、背中に広範囲の発疹や顔に熱いうろこ状の隆起、口や鼻の痛み、日焼けでやけどをしたような跡が見られます。酒さやアレルギー性反応などにも赤みを帯びた症状がありますが、皮膚の状態としては全く別のものとなります。お肌に異常を感じたら皮膚科への受診が必要です。

皮膚科ではルーブスの症状かを診察します。治療は、日焼け防止対策や皮膚の刺激が少ないスキンケアの指導を行い、気になる肌のループスをメイクで隠す方法などを教えてくれます。ループスは免疫系の薬を服用するため皮膚がんを発症するリスクを高める可能性があるため、皮膚がんの兆候がないか肌の確認がされます。

10.皮膚T細胞リンパ腫

セザリー症候群
赤いかゆみを伴う発疹がふぃふの大部分を覆っており、剥離しているかの末井があります。引用:AAD

T皮膚細胞リンパ腫(CTCL)と呼ばれるがんの一種です。皮膚T細胞皮膚リンパ腫はT細胞またはTリンパ球と呼ばれる白血球の一種が原因となります。T細胞は、感染症やその他の病気の予防に役立つもので成人の皮膚の表面にはおよそ200億個のT細胞が含まれており、肌の病気に対する防御線となっています。

T皮膚細胞リンパ腫には菌状息肉腫かセザリー症候群のいずれかに分類されます。特にセザリー症候群は攻撃的な一面があり、湿疹のように見えることもありますが一部の人は全身で赤くはれた皮膚になることや、日光をほとんど浴びないような箇所で皮膚が熱くなったり、痛みや強いかゆみを感じることがあります。

まとめ

如何だったでしょうか。多くの病状は皮膚科での診療が必要でしたね。早期に発見することによって、皮膚のトラブルの早期緩和ができることも分かりました。症状に多いのは痛みやかゆみという症状で、これは大人でさえ、かゆみなどを伴うと、患部を引っ掻いてしまうことにより、症状を悪化させるだけでなく、患部を広げてしまうことにもなりかねません。

完全な治癒が難しいものもありますが、予防を兼ねて、日常のスキンケアで気をつけたいのは低刺激性の洗顔料などを使うことで、お肌への刺激を和らげることが出来ます。また、かゆみなどの悩みは紫外線やスキンケア商品による刺激によることが原因の一つと考えられますので、大事なお子様はじめご家族で使うものを見直すことも大切と言えるのではないでしょうか。

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