猫の感染症とは?3種のワクチンは予防医学の有効な手段

愛猫が病気にならずに健康で過ごしてもらうためにも、飼い主として色々なことに気遣ってあげなければいけませんよね。なかでも感染症の予防として、ワクチンの接種は必ずしておきたいものです。

なんとなーくワクチンは必要ということは知っているけど、詳しくは知らないという方必見!

ワクチンの必要性や、どんな病気を予防するのかなどをご紹介していきます!

ネコにワクチンってそもそも必要にゃの?

私たちが普段生活している地球上では、様々なウイルスや細菌が常に蔓延しています。

抗体もなくそのまま生活していると、その病原菌の影響を受けて、色々な病気を発症してしまいますよね。

お母さんのお腹に居るときから、様々な病気に対する免疫は受け継がれますが、この世に生を受けてからは、どんどんその抗体は失われていってしまうのです。

なので抗体を作るためにも、外部から侵入してくる病原体を攻撃をする仕組みを作らなくてはいけないのです!

その働きを担うのが、「ワクチン(予防接種)」となります。

病原体を無毒化や弱毒化したものを体に摂取することにより、その病原体に対する免疫を作り出して病気にかかりにくくする、といった仕組みです。

小さいころにMRやBCGなどの予防接種となる注射を、お医者さんにされた経験がありませんか?

あれも紛れもなくワクチンの一種なので、この世界で生きるためには必要不可欠であると言えるでしょう。

人間同様、ネコにも様々な感染症などの病気にかかってしまうリスクがあるので、ワクチンの接種は必要となってきます。

「家ネコだったら外に出ないから、ワクチンは必要ないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、これはNGです!

ネコが家から出ないからといって、飼い主さんが外から病原菌を運んでこないとは限りませんし、来客や動物病院などで感染してしまうこともゼロとは言い切れませんよね?

ですので家ネコであっても、病気にならないためにはワクチンの摂取が必要と言えるのではないでしょうか。

ネコのワクチンはどんな病気を予防するのかにゃ?

現在の日本でネコのワクチンは、3種混合~7種混合が基本とされています。

代表的なネコのワクチンは、3種混合と呼ばれるものになり、家ネコであればこのワクチンを接種しておけば安心と言えるでしょう。

これらの混合ワクチンは、以下の病気を予防してくれます。

①ネコウイルス性鼻気管炎
②ネコカリシウイルス感染症
③ネコ汎白血球減少症
④ネコ白血病ウイルス感染症
⑤クラミジア感染症



①「ネコウイルス性鼻気管炎」

ネコヘルペスウイルスが原因となる病気で、「ネコ風邪」「ネコインフルエンザ」「ネココリーザ」などと呼ばれることもあります。

発熱やくしゃみ、目ヤニや食欲不振を起こすことがあり、症状が慢性化することも。

重症になってしまうと肺炎や脱水症状を起こし、死亡してしまうケースもあるのです。

そしてこの病気によって結膜炎を併発することで、失明する恐れもあります。

②「ネコカリシウイルス感染症」

複数の型があり、その感染した型によって症状が異なってきます。

ネコウイルス性鼻気管炎に似た症状のもの、口の中や周辺に潰瘍をつくるもの、肺炎を起こすものなどさまざまです。

7種混合のワクチンでは、病気のタイプが異なる3つのカリシウイルスを予防してくれます。

③「ネコ汎白血球減少症」

ネコパルボウイルスにより発症する病気です。

「ネコジステンパー」「ネコパルボ」などとも呼ばれ、感染力が非常に強く、子猫が発症してしまうと重症となることが多いです。

白血球の減少や発熱、激しい嘔吐や食欲不振などの症状が見られますが、成猫が発症しても軽症で済むことが多く、子猫のときから予防しておきたい病気と言えるでしょう。

④「ネコ白血病ウイルス感染症」

白血病の原因となるウイルスが体内に入ると、貧血や発熱、食欲不振などの症状が起こります。

そして腎臓病の原因となってしまうことも多いので、子猫のときから予防しておきたい病気と言えますよね。

感染したからといって、必ず発症する病気ではないので、健康体のネコであれば感染初期にウイルスを体内から排除出来る場合もあります。

⑤「クラミジア感染症」

クラミジアと呼ばれる細菌によって引き起こされる感染症となり、涙目や目ヤニなどの持続性結膜炎の症状や、くしゃみや咳などの症状が見られます。

結膜炎はネコウイルス性鼻気管炎や、ネコカリシウイルス感染症が引き金となって感染することがほとんどなので、クラミジア感染症にならないためには、3種混合ワクチンが有効であると言えるでしょう。

①②③の病気を予防してくれるのが、3種混合ワクチンとなります。

この3種混合ワクチンに、④のワクチンが含まれたものを4種混合ワクチンと呼び、4種混合ワクチンに⑤のワクチンを含んだものを、5種混合ワクチンと呼びます。

7種混合ワクチンは前述した通り、3タイプのネコカリシウイルス感染症を予防するワクチンが含まれています。

家ネコであれば3種混合をおすすめするにゃ!

混合ワクチンについて理解が深まったところで、どれを愛猫に摂取すべきか悩んでしまいますよね?

少しでも外部のネコとの接触がある場合や多頭飼いの場合は、3種混合以上のワクチンをおすすめしますが、家ネコであれば3種混合ワクチンを接種すれば問題ありません。

個体によって差はありますが、生後2~3ヶ月の段階でワクチンの接種をするのが望ましいでしょう。

初年度の接種は2、3回に分けられることがほとんどですが、成猫になってからは1年に1回の摂取が推奨されています。

ですが海外のガイドラインでは3年に1回を推奨されているので、かかりつけの動物病院で相談しながら、摂取時期を決めていくと良いかもしれません。

ワクチンの接種は飼い主さんの判断に任されていると言えますが、ワクチンは重篤な感染症から愛猫を守る、予防医療のもっとも有効な手段と言えます。

そして1回接種したからといって、そのワクチンで作られた免疫は徐々に低下していってしまいます。

免疫力が低下すればウイルスに感染しやすくなってしまいますし、万が一愛猫が病気になって入院が必要となったとき、1年以内にワクチン接種をしていなければ、入院を断られてしまうことだってあるそうです。

3種混合ワクチンは全てのネコに対して摂取が推奨されているので、愛猫が病気にならずに健康で生活させてあげるためにも、ワクチンの接種は定期的に行うようにしましょう!

愛猫を病気から守ってあげられるのは、飼い主さんしかいないと言っても、過言ではないはずです。

愛猫の健康のためにも、ワクチンの重要性を考え直し、どんな種類を打つべきか、これを機会にじっくり考えてみてはいかがでしょうか?

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