獣医師が教える、猫の口臭の原因とは?病気のサインを見逃さない!

クリクリのお目目、尻尾ピーン!と立てて、鈴の音色のような鳴き声で近づいてくるネコたち。

その可愛い姿を見るだけで、癒される人も多く居ることでしょう。

愛猫であればそのまま頬ずりをして、ネコから発される物質を余すことなく堪能したくなっちゃいますよね!

もちろんネコの口臭も余すとこなく…「ん?うちのネコ、なんか口くさくない??」…。

こんなにも可愛いのに、口が臭いってどういうこと!!!???

体質なの?口内環境の問題なの?と不安になってしまうところですが、なぜネコの口は臭くなってしまうのでしょうか?

ネコの口臭について、考えていきましょう!(2019/10/04追記)

ネコの口臭の原因として考えられることって?

ゴロニャーンと擦り寄ってきて、可愛い顔して口がくさいと、ちょっとガッカリ…いやいや案外萌えかも…!
なんて思ってしまう飼い主さんも居るのでは!?

でもその口臭、ただの萌えだけで済まない可能性も!

ネコの口臭の原因は一つだけではありませんので、問題がある口臭なのか、問題のない口臭なのかを見極めてあげましょう。

キャットフードのニオイ

ネコにとって、ゴハンタイムは至福の時間。

食べ終わっても口元をペロペロペロペロ…。余韻に浸り続ける子も多いですよね。

満足したから「今度は飼い主に甘えてやるか…」と、すぐに飼い主さんのところへ行く子も少なくないのでは?

そんなときに感じる口臭は、基本的にキャットフードによるものです。

食欲増進のために香りが強いと感じるフードも多いので、生臭く感じても一時的な口臭となるので、心配ありません。

ウンチやオシッコのニオイ

綺麗好きなネコは、トイレの後にグルーミングをすることが多いです。

お尻周りや手足を綺麗にするために、ペロペロペロ…。

そのあとの口臭は、くさいに決まっていますよね!

ですがネコも綺麗にするためにしている行為なので、飼い主としては我慢するしかないような気も…。

一時的なものなので、我慢してあげましょう。

歯の生え変わりのニオイ

誰しもが一度は経験する歯の生え変わりですが、ネコも人間と同じように乳歯から永久歯に生え変わります。

一つ人間と違うのは、人間は乳歯が抜けてから徐々に永久歯が生えてくることに対して、ネコは永久歯が生えてきたことによって乳歯が抜け落ちるという点です。

なのでこの時期の子猫の口内は、口臭の原因になる要素がいっぱい!

歯と歯の間に食べカスが溜まったり、出血したりと菌が繁殖する条件が揃っているのです!

永久歯に生えそろうと収まることが多いので、子猫あるあるとして覚えておくと良いかもしれませんね。

加齢によるニオイ

ネコも高齢になってくると、色々と身体にガタがきてしまうものですよね。

ネコの歯もその一つで、高齢により歯が抜け落ちてしまうこともあります。

人間みたいに入れ歯を装着するなんてことは出来ないので、食べづらい歯のまま毎日ゴハンを食べ続けなくてはいけないのです。

抜けた歯の部分にゴハンが入って取れなくなることもしばしば、そうなってしまうと口がくさい原因になってしまっても不思議ではないですよね!

出来ればスープ状のキャットフードや、歯のケアを飼い主さんがしっかりしてあげることによって、口臭は軽減できるはずですよ!

ケガによるニオイ

 

ネコの犬歯はとても長く鋭いので、猫同士のケンカの際や硬い物を噛む、ぶつかるなどの事故によって、歯が折れたり抜け落ちたりしてしまうことも。

歯が折れて鋭利な状態になっていれば、当然口の中を傷つけてケガをしてしまいますよね。

口内は水分量が多く、傷が治りにくい場所でもあります。

なかなか治らずそのままの状態が続けば、口臭がしてきても不思議ではないですよね。
確実に傷による口臭だと判断出来れば、動物病院に連れていって対処してあげるようにしましょう。

病気によるニオイ

ネコの口臭で気を付けなければいけないのが、病気によるニオイです。

ただ「口がなんかくさいな~」と感じたとしても、その口臭に病気の影が隠れているかなんて判断するのは難しいことでしょう。

ネコが何かしらの病気を患っていて口臭がする場合には、口臭以外に症状が見られることも多いです。

大事なのは問題がある口臭を見抜き、すぐに動物病院に受診してあげることです。

きっとネコちゃん自身も口がくさいことに、良い気がしている訳がありませんからね!

 

ネコの口臭から考えられる病気とは?

では、ネコの口臭から考えられる病気って、どんなものがあるのでしょうか?

知っておくと異変にすぐに気が付くことが出来るので、口臭を感じたら一度病気も疑ってみてくださいね!

Q:口臭の相談を動物病院でできますか?

A:口臭が気になるなら、ぜひ気軽に相談してください。診察内容はまず、猫の口の中の状態をチェックするなどの検査をするというものです。また、シニア猫なら腎臓の検査も兼ねて血液検査を行います。些細なことでも気になることがあれば気軽に病院を受診してください。

引用 https://cat.benesse.ne.jp/withcat/content/?id=18816

歯周病

ネコの口臭で一番疑ってほしい病気は、歯周病です。

自分で歯磨きをすることの出来ないネコは食べカスが歯石や歯茎に溜まりやすく、菌が繁殖して様々な症状を引き起こします。

もしネコが何かを噛んだあとに血のあとが付いていたり、歯茎が腫れていたりしたら歯周病の可能性が非常に高いです。

長期間腐ったような口臭を放っているのなら、ネコちゃんは満足にゴハンを食べられないかもしれないので、すぐに動物病院に受診してあげてくださいね。

口内炎や虫歯

口内炎や虫歯も、口臭の原因となることが多いです。

痛みを伴う口内炎や虫歯の場合は、ゴハンを食べなくなりじっとしてやり過ごす時間が多くなってきます。

どんどん元気がなくなり免疫が落ちていってしまうので、口臭がきつくゴハンを全く食べてくれない場合も動物病院に連れていきましょう。

口腔内腫瘍

口の中に何か出来物(腫瘍)がある場合にも、ニオイを発生することがあります。

口からの出血やよだれを垂らしているなどの症状が見られるのなら、何かしらの腫瘍があるのかもしれません。

悪性の腫瘍だと痛みを伴い手術をしなくてはいけない場合もあるので、すぐに動物病院を受診してくださいね。

 

内臓疾患

腎臓病や肝臓病などのネコの多い病気が元で、口臭を感じることも。

そのような場合、なんとも言えない悪臭を漂わせた口臭になってしまうことが多いです。

それぞれの臓器が正常に機能しないことによるニオイとなるので、どんなに飼い主さんが頑張ってニオイの元を断とうと頑張ってもどうにもなりません。

動物病院でどの臓器がどんな状態なのかを診てもらい、適切な対処をしてもらうようにしましょう。

 

腸閉塞

腸閉塞によって腸が塞がれていたり、腸に何かしらの障害が生じている状態だったりすると、口がくさくなることがあります。

極度の便秘もそうですが、腸に排泄物が溜まっている状態になれば、口から便のニオイがしてきても不思議ではないですよね。

排泄がうまくいかず、嘔吐を繰り返したり食欲不振で元気がなかったりするときは、痛みを伴っている場合も多いです。

ただの便秘かと思って放置してしまうと、腸の血液循環がうまくいかず、症状は重症化してショック状態に陥ってしまうことも。

 

たかが口臭されど口臭!

口くさいなーぐらいの気持ちでスルーしてしまいそうなネコの口臭ですが、大きな病気が隠れていることもあるので、見過ごす訳にはいきませんよね!

愛猫の健康な状態のニオイを普段から嗅いでおくと、変化に気付きやすくておすすめですよ!

コミュニケーションの一環として、クンクン普段から色んな場所のニオイを嗅いで、スキンシップをとるようにしましょう!

もちろん愛猫に嫌われない程度にしてくださいね!

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